借金が返済できなくなり自己破産を考えていて、仕事の収入があることで自己破産の申立てができないと言われた、または自己破産後の生活や仕事への影響が心配という方のために、ここでは仕事の自己破産への影響、または自己破産の仕事への影響についてご紹介します。
仕事への影響
個人の方で、現在会社などで仕事をされている方の場合、仕事への影響はどうでしょうか?
基本的に自己破産が理由で会社を解雇されることはありませんし、仕事に必要な道具などを処分されることもありません。
借金の滞納をせずに自己破産すれば、自己破産したことが会社に伝わることはありませんので、何事もなかったかのように仕事を続けられます。
(※自己破産は信用情報の他、官報に掲載されるので、もし会社の関係者が何らかの理由で官報をチェックすれば知られてしまう可能性はあります。)
当然新しい仕事に就くことも全く問題ありません。
ただし、一部の職業には影響があります。
制限のかかる資格や職業
- 弁護士や司法書士、税理士などの士業関連の資格
- 他人の財産を扱う貸金業者や生命保険募集人、質屋、古物商といった金融関連業
- 都道府県公安委員会、公正取引委員会、教育委員会などの一部の公務員
- 商工会議所、金融商品取引業、信用金庫、日本銀行などの団体企業の役員
- その他、旅行業務取扱管理者、警備員、建設業、風俗業、廃棄物処理業、調教師、騎手など
以上の職業では自己破産手続きが開始されて免責が確定するまでの3~6ヶ月は資格が制限され、仕事が行えません。
裁判所より免責が確定後、復権されると今まで通り仕事に復帰できます。
ただし注意が必要なのが、自己破産手続きを開始して免責されなかった場合は、ブラックリストの掲載期間5~7年は復権できなくなります。
厳密には資格によって制限のかかる期間や復権条件が異なるため、制限職種の方は仕事で不利にならないよう専門家に相談してください。
給料も差し押さえられる?
既に貰っている給料は預貯金として扱われるので財産と見なされます。最低限の金額(99万円)を残し残りは全て没収、返済にまわされます。
(※自己破産手続き中の収入は「新得財産」という扱いになり財産処分の対象外)
しかし、将来受け取る予定の給料やボーナスなどは差し押さえられません。
(※裁判所によって対応が異なりますが、将来貰う予定の退職金については、退職金の1/8程度を返済にまわすよう指示されることがあります。)
逆に借金滞納などで給料の差し押さえがされている場合、自己破産手続きによって差し押さえが解除されます。
ちなみに、将来に受け取る給料のうち借金滞納などで差し押さえられるのは、手取りの1/4(※)が対象です。
(※ただし受け取れる給料の上限は33万円までです。給料の3/4が40万円であっても33万円しか受け取れません。)
またボーナスは全額、退職金は1/4が差し押さえられます。
基本的に自己破産したことが会社に伝わることはないと前述しましたが、借金滞納などで給料が差し押さえられている状態で自己破産手続きをすれば、以上の事情から自己破産したことが会社にもバレてしまいます。
自己破産を理由に解雇することは不当解雇に当たるため基本的にはありませんが、会社にバレたくない場合は、給料が差し押さえられる前に滞納している借金を返済するか、自己破産するしかありません。
自己破産のメリット・デメリットについて詳しくは下記ご確認ください。
自己破産手続き中の副業
自己破産中に副業して収入を得ることは基本的に問題ありません。自己破産手続き開始後の収入は「新得財産」となるため没収の対象にはなりません。
ただし、あまり収入が多くなりすぎると自己破産手続きが中止されることもあるため注意が必要です。
また、収支の状況を隠蔽することは自己破産の免責が下りない原因になるため、副業によって収入があった場合は絶対に隠してはいけません。
副業の収入によって自己破産する必要がなくなるのであれば弁護士に伝えて、自己破産が中止されたとしても仕事をして稼ぐことを優先した方がいいでしょう。
自己破産を成功させるために仕事を辞めるべき?
債務者が債務整理や死亡するなど何らかの原因で借金が返済できなくなった場合、保証人に返済義務が移行、返済能力がある場合は当然、借金を全額肩代わりして返済し続けることになります。
数億円の借金を連帯保証人として背負ってしまった方のケースでは、保証人の方が50万円以上の月収(+ボーナス)があり、毎月の生活費を10万円以内に切り詰めていけば、15~20年以上かければ何とか返済できるという状況です。
保証人の方は完済するまで、当然貯金もできず、自分の借金でもないのに苦しい生活が強いられます。
この場合、生活が苦しいからといっても生活できないわけではないので、裁判所としてもこの保証人の方の自己破産は認められないでしょう。(※免責が下りない)
しかし、自己破産の免責をしてもらうために、現在の仕事を辞めてしまうのは本末転倒です。
不動産などの高額な資産がないのであれば、仕事を辞めてしまえば収入がゼロになるので免責が下りて自己破産できる可能性がありますが、
その後の生活を考えると、すぐに復職できるか、また同程度の収入の仕事に就けるとも限りませんし、貯金も没収されるので、その後の生活が困窮する可能性もあります。
また、仕事を辞めたからといって必ず免責が下りるとも限りません。
借金額が大きい場合、仕事を辞めずに収入がある状態でも自己破産の免責が下りる場合もあるので、思い切って事故破産の申立てをしてみてもいいでしょう。
依頼した弁護士が個人の自己破産の申し立て経験が少ない場合は、自己破産は難しいと言われるかもしれません。その場合は着手金の全額返金を求めて他の弁護士にセカンドオピニオンを求めてもいいでしょう。
自己破産申立てを裁判官が棄却する場合は支払不能要件(「一般的に債務を弁済できないこと」「継続的に債務を弁済できないこと」)を満たしている必要がありますが、以前に一般的に免責を許可するような事案を次々と免責不許可にして話題になった裁判官がいました。
既に自己破産申立てを棄却されている場合は別の裁判所に申立てしてみてもいいでしょう。
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